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俺にとってのお気に入り(The One)を公開していくブログです。最近は目にしたものをどんどん書いていく形になっています。いっぱい書くからみんな読んでね。


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"Two Faces" Bruce Springsteen


JUGEMテーマ:洋楽歌詞・和訳

 

論文の提出が一応終わって、現状の第一志望のグループ面接も終わった。
それがおととい、15日のこと。
窓が開け放たれたような気持ちを感じている。

それで昨日は意気揚々と図書館に自転車を走らせてみたりしていたら、昨日は説明会の予定があったことをすっかり忘れていた。
前日には頭にあったのに、綺麗さっぱり消えていた。
それなりに大切なものごとを、人はここまで視界から消せるものかとけっこう驚いた。


それで、開放的な気分の俺は、久しぶりに一冊の本をきっちり読んだ。
それが江國香織の『スイート・リトル・ライズ』という小説。
気合入れてシモーヌ・ヴェイユとか坂部恵とかも借りてきたのだけど、夕飯を食べてから寝るまでのあいだに読みたかったのがこれだった。
気合入れなくても読めて、でもちゃんと面白いだろうやつ。

この小説の主題は、(現代の)人間の二面性についてである。
と言ってしまえば、それはもちろん嘘だ。
ほとんど嘘だ。
もちろん二面性も主題として含まれていると言うことはできるが、それだけではない。
そもそも、主題が何だ、と明確に指摘できる小説などありはしないのだが。

ところが、Bruce Springsteenの「Two Faces」という歌を聴いたあとにこの小説を読めば、それでもやはりこの小説の主題は二面性なのだとして読むことができる。
それが、詩である。
それが、詩の言葉である。



詩の言葉というのは、それ自体の中にたいそうな意味など含まない。
「俺の持つ二つの顔」と言われれば、あぁそうね、そういうことはあるかもね、と思うだけのことだ。
ところが、いざその言葉を置いて、自らの生活を見てみると、あらゆるところにその言葉が現れる。
もはやこの生活はこれまでもずっとその言葉を中心に成り立ってきたし、これからもそうして成り立っていくだろうとしか思えない。
目にするあらゆるものごとの主題は、まさにそれだと感じるようになる。
小説というものは、どんな詩の言葉をおいても、そのように読めてしまうものである。



『スイート・リトル・ライズ』を読んでいて、驚いてしまったのは、二人の主人公のことを俺がとてもよく「わかる」ということだった。
かつての俺はここまで「わかり」ながら読んでいたのだろうか、と疑う。
たぶん、わかっていなかっただろう。
その変化が何を意味するのか、俺にはまだ掴めていない。
何かを失い、何かを得たような気がする。
それはとても寂しいことだとも感じるし、喜ばしいことだとも感じる。
ただ、どちらか一方の感情だけを採用することだけはすまい、と思う。
なぜなら、それを端的に一言で表現するならば「変化」で、「変化」それ自体は価値も意味も持たず、避けられない運命であるというだけなのだから。
それは寂しいことだと感じることもできるし、喜ばしいことだと感じることもできる。
寂しいことでも喜ばしいことでもない、というのも、また正しい。


変化それ自体は避けられない運命なのだが、その中で俺にできることもある。
もしかしたら、しなければいけないことも。
それは、変化をむかえるべき「今」のうちにできることをやっておく、ということ。
今の俺の感受性でものごとをながめることは、今の俺にしかできない。
2年前の俺にも、2年後の俺にもできないこと。
その中で、見つけられる言葉があるのなら、見つけられるストーリーがあるのなら、それを見つけて形にしたい。
ただそれだけが、やがて変化していった先のどこかで穴に落ち込んだ俺を救うことができるだろうと思うから。
俺がこの世の中で生きていく道具それ自体、あるいは道具の材料になるのは、それだと思うから。


そのときに、恐れてはいけないのは、「ストレート」にそれを表現すること。
あまりにも直截すぎる表現は、見つけた人を一瞬、脅かしてひるませる。
たとえば、「Two faces have I」という表現。
自分の中にも理解できない領域があること、自分の知っている理屈では理解できないふるまいを自分がしてしまうことがあること、それを「俺の持つ二つの顔」という言葉で表現する。
あまりにも「わかりやす」くて、あまりにも直截な表現だ。
一瞬、それは凡庸でつまらない表現にも見える。

ところが、俺はしばしば忘れがちだし、忘れがちなのは俺だけじゃないとも思うのだが、その表現を見るのは自分ではないのだ。
その言葉を読むのは、変化した先の自分であるかもしれないし、他人かもしれない。
それらの人びとが、一瞬で理解できるのは最も直截な表現なのだ。
読み手も、一瞬それは凡庸でつまらない表現だと感じるかもしれない。
しかし、その感覚は、あまりにもよく「わかる」、または、あまりにもそれが「近い」からこそ生まれる感覚である。
それに成功したとき、それは詩の言葉にもなりうるだろう。
それこそが詩の言葉だ、とは言わないが。
今の俺が何かを見つけたならば、そのような表現で形にしておきたいと思う。
形にすることで、初めて自分でもそれを見ることができるのだから。



一方で、実際に凡庸でつまらない表現というものも、まぁ現実にはある。
それはどのようなときに生まれるのだろうか。
言葉というのは、根源的には他人のものである。
自分の見つけたものごとを表すのに、その他人から受け取ったものを使うからこそ、自分にも他人にも「わかる」ものになる。
自分が見つけたものごとと他人から受け取った言葉が直截に重なるとき、その表現は上手くいっていると言えるだろう。
上手くいっているものだけで何かを作りたい、と願うのが芸術家である。
凡庸でつまらない表現というのは、端的にこれが上手くいっていない表現のことだ。
言葉が単なる借り物としてしか響かないからつまらない。
特に言いたいことが無いのか、あるけれど言い方に失敗しているのか。



さてさて、あらゆる意味で未熟な俺は、使える言葉をもっと増やせるように、勉強でもしようかね。
何かを見つけるように目をこらす手段。
見つけたものを表現するための材料を獲得する手段。
それはどちらも勉強と呼ばれるものだろうと思う。
Two Faces Have I」というポップソングがあったことを、今回初めて知った。
Bruce Springsteenは、ポップソングマニアだった。





Two Faces
Bruce Springsteen



I met a girl and we ran away
女の子と出会って 俺たちは一緒に逃げ出した

I swore I'd make her happy every day
俺は彼女を毎日幸せにすると誓った

And how I made her cry
そして どんなふうに彼女を泣かせたことか

Two faces have I
俺の持つ二つの顔



Sometimes mister I feel sunny and wild
俺はときどき 明るくて怖いもの無しな気持ちになるんだ

Lord I love to see my baby smile
主よ 俺は彼女が微笑むのを見るのが大好きなんだ

Then dark clouds come rolling by
やがて 暗い雲が近づいてくる

Two faces have I
俺の持つ二つの顔



One that laughs one that cries
片方は笑い 片方は泣く

One says hello one says goodbye
片方は挨拶をする 片方はさよならをつげる

One does things I don't understand
片方は俺の理解できないことをする

Makes me feel like half a man
人間が半分になったかのような気持ちにさせる



At night I get down on my knees and pray
夜には 俺はひざまずいて祈る

Our love will make that other man go away
俺たちの愛が もう一人の男を追い払ってくれるようにと

But hell never say goodbye
でも 地獄はけっしてさよならをつげない

Two faces have I
俺の持つ二つの顔



Last night as I kissed you neath the willow tree
昨晩 柳の木の下で俺がお前にキスしていると

He swore he'd take your love away from me
ヤツはお前の愛を俺から奪い去ると宣言した

He said our life was just a lie
俺たちの生活はただの嘘だと言った

And two faces have i
俺の持つ二つの顔

Well go ahead and let him try
さて ヤツのやりたいようにやらせてみろよ











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