This Is The One! - innocent -俺にとってのお気に入り(The One)を公開していくブログです。最近は目にしたものをどんどん書いていく形になっています。いっぱい書くからみんな読んでね。
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群れて生きる人間というものを、突き放して悲しく眺める。 感触として、自主映画が持つ雰囲気に近いものを感じた。 街の遠景のカットがところどころに連続して挿入されたり、静止画がフラッシュバックしたり。 (物語の中での役割として)「障害者を特別扱いしない」というところが、安全なところにとどまらなくて、少し野心的で良いと思う。 あの役どころが身体障害を抱えている必然性って、実はそこまで大きくない。 抱えていなければこの物語が成り立たないのも事実だけど、別に障害を持ってなくてもこのテーマを描くことは不可能ではないと思うのだ。 もちろん、この映画では身体障害者という存在を巧みに「利用する」ことによって、成功しているのだけれども。 別に身体障害者を出さなくても描くことは不可能じゃない、でもこの映画では身体障害者を出して描くことによって成功した。 それだけのことで、その意味で「障害者を特別扱いしない」。 それは子供を「利用」したり、老人を「利用」したりするのと同列だ。 ホテルの中での馬鹿でかいCGの魚がやたらと恐ろしくて、どこか暗示的だ。 あのグロテスクな魚に象徴されるように、鑑賞者を気持ちいいだけではいさせてくれない点が良い。上野樹里は画面上でめちゃ汚いし。 あんな魚出されたら、せっかくジョゼが語ってても何も聞こえてこないや。 悲しいまでの人間同士の距離の遠さが、そのままポンと放り出される。 距離の近い関係が、一つも出てこない。 お婆が死んだあと、恒夫に対してドアを開いた時点で、すでに覚悟を決めていたジョゼが一番悲しい。
すっげぇおもしれぇよなぁ。 こんなおもしれぇの若いときから書いてるんだもんなぁ。 これがそのうちノーベル賞なんてとっちまうからなぁ。 なんつーか、「着想」一つ得られるかどうかってのが、やっぱ大事なのかな。 まず書きたい「テーマ」みたいなものがあって、それからそれを表現するためにいろいろ考えて構築していって… みたいな作品の作り方だと、やっぱあんまり独創的なものにはならないんじゃないかと思うんだ。 一つの「着想」が降ってくるかどうか。 ここにかかってるんじゃないかと。 しかしおもしれぇ短編ばっかりだよなぁ。 いち青年(しかも学生!)として、影響を受けずにはいられないな。 俺は「鳩」「鳥」「ここより他の場所」「上機嫌」が特にお気に入り。 「上機嫌」を読んで思ったのは、「ユーモア」というものがいかに大事かということ。 あんなに冗長な文章をグイグイ読ませる力の半分とかそれ以上はユーモアの力によるものなのではないかと。 何度クスクス笑いをしたことか! この短編集を読んで、あらためて思う。 俺は小説家にはなれないと。 すべての青年に、ぜひ読んでほしい一冊。 っていうか、今思った。 川端康成も好きで、今から大江健三郎も好きになりそうになってる俺。 ノーベル賞か。そうなのか。まさか。
相変わらず、岩井俊二的な映像へのこだわりは見事。 ただ、この作品ではそれがそこまで機能していたとも思わない。 もしかして、それを捨て去ってしまったほうがかえってよかったのかもしれないと思った。 14歳の世界というのを上手く描いたのかなぁと思う。 俺はもう14歳ではないのでわからないけど、たぶん14歳の身に感じる気分だとか出来事とかを上手くデフォルメして描くところが上手いんだと思う。 だから別に、現実世界と比べてリアリティに無理があるとかいうことは問題にならない。 14歳の気分を描くためなら、別に無理があってもそれで上手く描けるならいいのだ。 と、いうようなことを突き詰めてやってしまう、岩井俊二というのはなかなかすごくて変な人だなぁ、と俺なんかは思ってしまう。 ただ、なんか変なところに昇華しようとして、結局美しくまとまってしまっているところが、この作品の迫力のないところなのかもしれない。 もっと、どうしようもなく追い詰められて、見たくもないような汚いものを目にしたい。 群青いろの新作に期待。 あと、もう少しカットするところをカットして、尺を短くして欲しいと思った。 正直、あれで2時間半はけっこうきつい。 上で書いたこととリンクするのだが、ある意味どうでもいいシーンはたくさんあると思った。 14歳の気分を描き出すには必要だということか。 っていうか今思ったんだけど、家は?って。 再婚して義理の父親とはあまり上手くいってない、ということが冒頭で示されるのみで、家族との関わりというものがほとんど描かれてこない。 14歳にとって家族というのは切り離せないものだと思うのだが。 この作品のここらへんがけっこう現代的なのかなぁ。 これは別にくだらないことなのだが、萌えキャラも満載。 狙ってんじゃないか、って思うぐらいに萌え要素はたくさん発見できる。 まぁ、それも14歳だからなのか。 キャラがけっこう一般化されている部分など、どこかギャルゲとかエロゲの世界観と通じている気がする。 蒼井優の風前の灯の美しさに、涙。 最後に勝手なこと言うけど、群青いろの『14歳』を観てしまったら、これはもうどうでもよくなる気がする。
この作品が公開されたのは、信じられないことになんと1993年。 物語は、一つの事件を巡るものだが、その世界観の奥深さは計り知れない。 何度でも観ていろいろ考えたくなるような、セリフ、画面。 後に「攻殻機動隊」劇場版シリーズで爆発するエッセンスが、ここにも大量に詰まっている。 おそらく、テクノロジーの進歩によってそれまでの戦争と形態が飛躍的に変わってしまった湾岸戦争を受けて、この作品は作られたのではないかと思う。 恐ろしい強度の「思想」を練り上げるだけでなく、それをここまでの「作品」に昇華する押井守という人の頭はどうなってるのだろうか。 アニメだけでなく、日本映画界、さらにはサブカル全体に影響を与えたであろう強烈な作品。 2007年、自衛隊の反乱はいよいよ現実感を増してきている。
「自慰行為じゃなく自己破壊をしろ!」 このクソみたいな現代の世の中で、戦い(闘い)ながら生き抜くことを選べるのか。 90年代的価値観、表現、さらには技術の、ある意味で総決算を出そうかというような野心的な作品。 20世紀という人類史上最大の激動の歴史の末にこんなところに来ちまった世紀末に、20世紀の遺産をどう引き受け21世紀をどう生き抜くのかを問いかけてくる。 と言っては大仰に過ぎるか。 エンディングにはThe Pixiesの"Where Is My Mind?"が心と頭をかき乱す。 さぁ見ろ! そして自分をぶん殴れ!
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