This Is The One! - innocent -俺にとってのお気に入り(The One)を公開していくブログです。最近は目にしたものをどんどん書いていく形になっています。いっぱい書くからみんな読んでね。
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若者が作りました、って言われても、おじいちゃんが作りました、って言われても、どっちでも信じてしまいそう。
実際には、若者が作りました。 若き日のレオナルド・ディカプリオとトビー・マグワイアなんかが一緒になって作ったらしい。 いや、僕ちんこういうの全然好きですよ。 「こういうの」っていうのは『コーヒー&シガレッツ』みたいなオシャレものっていう意味じゃなくて、若者のなんでもない風景を切り取るっていうか、比べてしまっていいものならば『ミーン・ストリート』もそれに近いような。 まぁ、冒頭のスモークばりばりのシンガーなんかのところはどうでもいい部分で、大事なのは若者の会話。 これが聞いてるだけでスリリングで楽しいから。 すごく愛しいよなぁ、と思うわけです。 俺なんかが地元の仲間とファミレスなんかで深夜に溜まってるときの会話ってのも、まぁあれほどでもないけれどもあんなふうにスリリング。 みんな本音と表面の剥離なんかわかった上でやってるし、それがちょっとだけ気にくわないって顔のやつもいるし、あんまり喋らないやつもいるし、みんなわかってる。 もはや付き合いは長いやつがほとんどだしね。 新しいやつが加わっても、相変わらず。 オザケンの「さよならなんて云えないよ」じゃないけど、本当はわかってる。 一晩の中では、一晩なりのいろんな出来事があって、それでもって朝が来ればみんな去っていく。 この映画ではそこのところが、すごくベタなのかもしれないけど、輝かしく描かれていて、俺はすごくグッときた。 そして静かに心は離れていくと。 Rilo KileyのJenny Lewisが出演しているところも注目。 オープニングのクレジットであれっ?と思ったけど、エンディングではRIlo Kileyも流れてくるし、やっぱりそうだったかと納得。 ってかあの曲を入れたのは、制作時じゃなくて公開時の2000年なのかな。 アルバム入ってる曲だしね。 もし制作時(1996年とか)にあの曲を入れたとしたら、Rilo Kileyの活動史とかにも興味が出てくるな。 でもPhantom Planetの曲も登場するし、たぶん後から入れたんだろうなぁ。 なんにしても、「あ、こういう映画撮ってみたいな」と思うような作品でした。 何を観てもそんなこと言ってる気がするけど。 ただ俺が作ろうとしたら、『インディアン・ランナー』みたいに、そこに我慢できなくなってぶっ壊さないといられないようなヤツを登場させたいところなんだろうな。
東浩紀なんかが『ほしのこえ』と『月姫』を並べて語っていたけど、つまり自主制作の一つの流れが出来ていたころなのだろうなぁ、と思う。 もし『ほしのこえ』が自主制作じゃなかったら、たぶんほとんど見向きもされないんじゃないかと。 そうやって出てきた新海誠の最新作が、この連作短編『秒速5センチメートル』。 新海誠の長所っていうのは、それただ一つと言ってもいいと思うけど、やたらめったら画が(背景が)綺麗だってこと。 なんだかよくわからんけど(っていうかなんでもいいけど)とにかく感傷的なストーリーとセリフがあって、そこにやたらめったら綺麗な画がかぶさってくる。 これがとっても気持ちいいのよね。 実際、新海の作るショートムービーっていうのはけっこう好き。(『彼女と彼女の猫』とか『ef -the first tale-』とか) ただ、尺が長くなるともたなくなる。(『雲のむこう、約束の場所』なんて勘弁してよ、もう) 特に言うべきこともそもそもなくて、ただ画が綺麗なだけなんだから当たり前なんだろうけど。 で、この『秒速5センチメートル』もそのご多聞に漏れなかったわけです。 空はなんだかやたら光ってるし、これでもか!ってぐらいに桜は降ってくるし。 ストーリーっていうか脚本のほうは、まぁぶっ飛んでひどかったわけでもないから良いかな。 そういうものでしょうね、きっと。 あ、エンディングで流れる天門の音楽は相変わらず感傷的で良かった。 (ここから多少ネタバレの恐れですが)ただ、評価したいのは、結局あの男の子が(無駄に)必死に求めていた「なんだかわからんけど遠いもの」は、大人になってみたらいつの間にか消えてしまいましたとさ、っていうところ。 この投げっぱなしジャーマンっぷりは素晴らしいと思いますな。 例えば村上春樹みたいに、逃げ腰で無理やり描き出した結果がどうしようもなく情けなくなっちゃうよりは、ずっと好感が持てる。 『コスモナウト』で、書いたメールを何故か「保存」し続けた彼は、メールを送らなかった自分以外に誰も責められないままに、結局何を得たわけでもなく、あーあ「終わりなき日常」をどう生きるかなぁ、ってなところに行き着いちゃうっていう。 そこで俺なんかが思うのは、新海さん、人生もうちょっと楽しく出来るんじゃないの? っていう余計なお世話なんですが。 やっぱねぇ、「初恋」なんてものが圧倒的に輝かしく眩しいのはわかっているわけで、その上で今の恋をどう扱うのか、っていうところに味があると思うのですが。 まぁ、ほぼ全ての人が思うことなのかもしれないけど、一番切ないのは『コスモナウト』の澄田さんだよね。 「彼の目は私を見ていない」から告らないって、いやそこはだからこそ告れよ!って言いたくもなるのですが、しかしそこで言えない気持ちもわからなくはないわけで。 それで結局ラストでは、おそらく彼が乗っている飛行機が飛び立つのを眺めているっていう。 そこからうかがえるのは、おそらく彼女は種子島を出なかったんだろうなぁということですが、それはあまりにも可哀想すぎる気が……。 結局は、あの初恋の女の子(あかりちゃんだっけか)だけはどうなのかわかりませんが、主人公の男の子と澄田さんに顕著なように、人生を自らすすんで辛いものにしていく者たちの後ろ向き沈没ストーリー、ってとこなんでしょうかね。 その上で新海曰く、「世界はそれでも生きるに足る滋味を備えている」って、滋味はそんなに少ないのか! と自らにも渇をいれつつ僕は、明日は何をしようかしらとウキウキしながら幸福な寝床へともぐりこみましょうかね。
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