This Is The One! - innocent -俺にとってのお気に入り(The One)を公開していくブログです。最近は目にしたものをどんどん書いていく形になっています。いっぱい書くからみんな読んでね。
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誰かと楽しい時を共有するというのは奇跡だ。 一人だけが幸せなのではなく、その時を共有した全員が幸せだということは、客観的には奇跡的に確率の低い事象に思える。 しかし、人生にはしばしばそういう時が訪れることがある。 だとすれば、それは非常に繊細な微調整を積み重ねた上に、全員が幸せに感じられる時を作り上げるという、人間の芸術的な能力の賜物である。 例えば恋人や友人同士が、とても楽しい時を過ごしたとする。 ぼくらはその奇跡に敏感だ。 人生における素晴らしい瞬間を味わったことを知っている。 そして、僕らはそれを伝え合うのだ。 自ら働きかけて相手に伝えない限り、自分が本当にどういう気持ちだったのかは、相手にとっては確信が持てないままだから。 とても楽しかったこと、良い時を過ごしたことを伝え合うことで、一人ではなく全員が確かに幸せな時を共有したことを確認し合うのだ。 しかも、言葉に真実味が重く含まれるタイミングで、まだ相手に声が届くタイミングで。 幸せの適切な扱い方を、僕らは学びつつある。
Goal.comというサイトで、元ブラジル代表のリバウドの引退記事を見た。 特に大ファンというわけではなかったけれど、かつて世界最高の選手だったという記憶は、確かに俺の中に残っている。 その引退に際しての、インスタグラムでの本人のコメントが印象的だったので、引用する。 「根気と熱心な姿勢と、そして何よりも神様の力のおかげで、世界で最高の選手とまで見なされるようになり、世界王者になることができた。 ほかにもサッカーの歴史の中で多くの重要なタイトルを手にすることができた。 何もかもが消費されてしまうばかりの国に、一つの例として、信じることと戦うことには意味があるのだという確かな証拠を残すことができる」 俺はブラジルのことをよく知らない。 しかし、ブラジル国民はなんとなく、人生を楽しむ方法を知っているという印象がある。 アマゾン川流域の工業開発に対して、「人間がもう少し賢ければ、こうはならないはずだ」と嘆く地域住民の声を読んだことがあるからかもしれない。 ワールドカップが間近になっているにもかかわらず、遅々として進まないスタジアム建設のニュースに触れたことがあるからかもしれない。 しかし、ブラジルにも着々と、人生を退屈で怠惰なものにしかねない、消費という麻薬が回ってきているらしい。 リバウドのコメントから、それを読み取る。 人生についてよく知っているらしい文脈の中で発せられた意見だからこそ、俺はそれを一つの無視できない検討すべき材料として、採用しようと思う。 リバウドのシュートは、キックのインパクトをボールに伝えるのにもっともふさわしい正確な一点を、芸術的と表現するのにふさわしいほど的確にとらえていた。 その結果、リバウドのシュートは我々の常識的感覚を越えて、不思議に思えるほど力を失わないまま遠くまで真っ直ぐ飛んだ。 ある道を極めた者が、その道を退いた。 そんなニュースだった。
人生に終わりがあることが嬉しい。 人生がいつまでもつづくのなら、きっと俺は何も行わない。 今日、人生が終わるわけではないことが嬉しい。 今はできないこと、知らないことを、まだ俺は学べる、変われる。 死の約束を祝福する。 今日の生を祝福する。 運命を拒絶せず、恐れず、退屈もせず。 ただ、向き合い、受けとめ、身をゆだね、全身で感じること。 それだけのことを貫くのが、難しい。
俺は希望が好きだ。 希望とは、良いことがこれからたくさん起こると思えること。 俺は希望を描くのが好きだ。 希望を思うのが好きだ。 希望について思うのが好きだ。 つまり、希望が好きだ。 春は芽生えの季節、誕生の季節。 これから起こるたくさんの未知なる良いことが、始まる季節。 春が香り始め、気づけば暦は3月。 いくら俺が希望を好いているからといって、希望ばかりが人生にあるわけではない。 昼休みにはなまるうどんで、げそ天を食べながら希望を思う俺は、イカの絶望の足を食いながら、俺の希望を見つめている。 春の穏やかさは、長く厳しい冬の記憶を忘れさせる。 しかしこの短い移行の時期、冬の厳しさの無いところに春の優しさも無いことについて、俺は忘れずにいようと思う。 希望についてよく知ろうとするとき、俺はしばしば絶望についてよりよく知ろうとする。 キルケゴールを読み、絶望とは避け得ないものであると新しく知りながら、希望が静かに準備されているのを、微かに感じる。 絶望を畏れながら、しかし拒絶せぬこと。 今ある生活の苦しみの中に、希望の芽生えを呼び覚ますものがある。 もしも希望を探すのなら、この生活の、この社会の、この世界の苦しみをよく見つめるのがいい。 そうすれば、たった一つの些細な変化を喜べる。 苦しみを見つめることで、希望への道が見えてくる。 豊かな知恵よ、深き教えよ、詩の言葉よ、この社会にもっと満ちるべし。
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